明後日の方向
「ふつうの、すごい演劇」をつくりたいだけなのに、難しい。演劇公演にはお金がかかるし、いつも時間がない。なにより未来に希望がないから続けられないし、止めたら関わりを持ちたくなくなる。
ならば「目的地」は一回忘れて「旅」に出てみよう。アーティストが輪になって、もっとお金も時間も芸術的にも自由で、なにより安全で希望が持てるような「方向」を探す。そぼくな理想主義だと笑う人には笑わせておけばいい。とはいえ根を詰めると続かないのでのびのび取り組んで行こう。上演のための創作から、演劇の可能性を解放しよう、豊かな創作の結果として上演をしよう。実験と失敗の連続の先に、どこかにたどり着く、かもしれない。
黒澤世莉